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【ちひろさん】自分らしく生きる軽やかな人の魅力

【ちひろさん】自分らしく生きる軽やかな人の魅力

「ちひろさん」というマンガはドラマ化もされた「ショムニ」で有名な安田弘之先生の作品のひとつです。元風俗嬢で今はお弁当屋さんで働く「ちひろ」を名乗る女性を主人公にした物語。

 

元風俗嬢で今はお弁当屋さんという肩書を聞くと「年をとって売れなくなって仕方がなくお弁当屋をやっているのでは」と不憫に感じる人もいるかと思います。でも一度ページをめくってみるとその考えは払拭されます。

 

こんな自由に自分らしく生きる大人はそうそういないだろう、と。

 

【目次】

 

ちひろさんは軽やかな人

「ちひろさん」に登場する主人公・ちひろさんは元々は都会で風俗嬢として働いていました。しかし今は風俗嬢を辞め、都会とも田舎とも言えない海の近い街でお弁当屋として働いています。

 

作中でよく描写されていますがちひろさんは人気者です。ちひろさんと話したくてわざわざ弁当屋に通う人も多く、道端で声をかけられることもしょっちゅう。

 

ちひろさん

出典:ちひろさん(1)

 

確かにちひろさんは美人設定です。でもそれだけの人ではありません。

 

普通なら隠す人が多い「元風俗嬢」という肩書を自らさらけ出し、口の悪さを隠すことなくタバコもお酒も楽しむ。「自分が周りからどう思われているか」ということに無頓着で、相手のこともカテゴライズしない。

 

自分らしく生きる軽やかな人。それがちひろさんの魅力だと思います。

 

軽やかな人は警戒心を見せない

ちひろさん

ちひろさん

出典:ちひろさん(1)

 

他人に対して警戒心を持つことは至って普通のことです。とくに女性ならばその性の特徴から警戒心を持つことのほうが良しとされています。

 

だから初対面の人またはそこまで深い仲ではない人に対して自分のことをさらけ出す人はあまりいません。「どこに住んでるの?」と聞かれて事細かに住所を伝える人がいないように、今までの経験人数をべらべら話す人もまた稀な存在です。

 

身近に風俗嬢だった人がいないのでわかりませんがそういう仕事経験を隠す人は多いのではないかと思います。そういったお仕事を軽視する人や嫌悪感を抱く人はまだまだ多い時代ですから。

 

けれどちひろさんは風俗嬢であったことを自分からさらけ出します。自虐的に伝えるのでなく、笑いのネタとして伝えるのでもなく、「会社員でした」と伝えるときと同じノリで周りに伝えます。自分の過去に縛られず、他人からどう見られているのかということに無頓着なちひろさんだからこその選択です。

 

その衝撃的な告白に驚く人も多いでしょう。けれど驚きと同じぐらい「そんなことを話してくれるなんて自分に対して警戒心がない」と嬉しくなる人もいます。

 

多くの人は他人に対して警戒心を持っています。だからこそ一見警戒心がなさそうな人は自分を無条件で受け入れてくれそうで魅力的に見えます。人は自分に心を開いてくれてるように見える人を好きになりやすいんです。

 

子供のように楽しむ心を忘れない

ちひろさん

出典:ちひろさん(2)

 

作中ではお弁当屋さんで働くちひろさんの姿が多く描かれています。しかしそれと同じぐらいプライベートを楽しむちひろさんの姿もまた多く描かれています。

 

ちひろさんは多趣味です。近くの海で釣りをする姿、カエルや魚などを飼育する姿、料理をする姿などなどたくさんの趣味を謳歌するちひろさんが登場します。

 

ちひろさんは元No.1風俗嬢で貯蓄があるからこそガツガツ働くことなく毎日のびのびと生きているんだと思いますがこういう大人ってなかなかいません。プライベートを余すことなく謳歌して、趣味に対して本気で、子供のように何事も楽しむ姿は一般的な大人のイメージ像とはかけ離れています。

 

楽しそうな人や幸せそうな人はそれだけで魅力的で好かれます。なぜなら一緒にいたら自分も幸せそうになれそうだから。機嫌の良さや幸福度が伝染することをみんななんとなく気がついているんです。

 

ちひろさんは人と競い合わない

ちひろさん

ちひろさん

ちひろさん

出典:ちひろさん(4)

 

ちひろさんはなぜ元風俗嬢であることを自分からさらけ出し、ガツガツ働かないで休日や趣味を心の底から楽しめているのか。それはちひろさんが人と競い合わないからです。

 

人と競い合って、誰かに勝とうと頑張っている人はたくさんいます。「あの子より早く結婚したい」とか「同僚のあいつよりもはやく出世したい」とかそういう闘争心を胸に秘めて日々を一生懸命生きることはとても素敵なことです。

 

でもそれでいつか本当に勝てるのかは誰にもわかりません。努力が報われることもあるけど報われないこともあります。

 

むしろ人生において勝ち負けって本当にあるのでしょうか。誰よりも早く結婚したから勝ちなんてことはないし、遅くに結婚したからこそそれまでの人生を十分に楽しめた可能性だって十分にある。未婚でいつづけたからこそ見られた幸せだってあるはずです。

 

ちょっと前までは四六時中働いてタワマンに住むような人が勝ち組なんて言われてきましたが、最近では生きていけるだけの収入だけを稼いでプライベートを充実させる生き方こそ勝ち組だという風潮もあります。

 

誰よりも早く何かを成し遂げたから幸せなんてことはないし、誰かと比べて優位なものをたくさん持っているから勝ちなんてことはありません。

 

人と競い合わずに自分らしく生きて、自分が楽しいと思う選択をする。軽やかな人は自分なりの人生の楽しみ方を知っているから魅力的です。