社会人になってはや数年。周りの人達がよく口にするセリフがあります。「もう１年の半分も過ぎたのか」「今年もあっという間だったね」などの時の流れに関することです。
大人になった多くの人が時の流れを「もう」とか「あっという間」とか「はやい」と表現します。でも私からすると「まだ」で「濃い」で「ゆったり」なんです。この違いはなんだろうかと考えると「変化の多さ」なんじゃないかなと思いました。
【目次】
あっという間ではなかった学生時代
今思うと中学校も３年しかなかったし、高校も３年しかありませんでした。でもたった３年なのにも関わらず当時はあっという間とは感じませんでしたし社会人になった今でも濃い思い出として記憶に残っています。
毎日違う科目の授業を受けて、数ヶ月に一度席替えがあって、年に一度クラス替えがあって、学生時代は強制的とはいえ変化の毎日でした。しかもはじめて経験する出来事も多かったです。人間関係の構築、トラブル、初恋に失恋。目まぐるしい日々だったと思う人も少なくないでしょう。
学生時代の思い出が人生の中で一際目立っているのは変化の数が圧倒的に多かったからです。
毎日たくさんの知識を頭に詰め込み、クラスが変わるたびに新しい人脈を築いて、学び舎が変わるたびに乗る電車や歩く道が変わる。何かが変わるたびいろんな感情を感じましたし、様々な視点や価値観を学びました。
「学生時代が人生のピーク」だとか「学生時代に人格のほとんどが決まる」なんて言葉を聞くことがありますが、それはやはり学生時代に多くの変化を体験するからです。
変化が少ない社会人
社会人は学生と比べると変化が少ないです。人によっては新卒で入社した職場に定年まで勤める人もいますし、転職はしても職種は変えないという人もいます。同じ職場にずっと勤めていれば自分を囲む人たちががらりと変わることはありませんし、ずっと同じ職種の場合は作業内容が大きく変わることもありません。
気がつけば会っている人たちは学生時代からの友だちや会社の同期ばかりで代わり映えがないし、１日のルーティンも数年変わってなくて、「なにか最近新しいことを始めたっけ？」と思い返してみても何も思い浮かばない人も少なくないでしょう。
変わらない日々は失敗やトラブルの数を減らしますし、安心と安らぎを与えてくれます。だからこそ人は変化を嫌う生き物だと言われます。変化はそれが大なり小なりどうしてもストレスを伴うものだからです。
しかし変化がない日々は記憶としては薄く、思い出に残りにくいのでどうしてもあっという間に過ぎ去ったように感じます。
あっという間に過ぎ去る日々を平穏だと感じ愛する人もいるでしょう。でももしあっという間に過ぎ去る日々に危機感を感じ焦るのであれば自分の意思で変化を起こす必要があります。
「この１年は長くて濃かった」と思うために
学生の１年と社会人の１年は本来全く同じものです。けれど全く違うものに感じるのは中身が違うからです。
学生よりも社会人の方がスケジュールはびっしり詰まっているかもしれません。周りに自由な時間が減ったという人が多いので実際に社会人の方が忙しいのでしょう。でもその予定ひとつひとつが真新しいものでなければ記憶には残りません。つまり長くて濃い１日ではないのです。
長くて濃い１年を過ごすためには長くて濃い一ヶ月を過ごす必要がありますし、そのためには長くて濃い１日の数を増やすしかありません。そして長くて濃い１日に必要なのは変化です。
初対面の人と会った日は思うことが多いでしょう。相手はどんな人だったか、自分はどういう印象を残せたのか、交わした会話は有意義だったか、好意嫌悪感などなど。色々と感情が揺さぶられるはずです。
初めて足を踏み入れた場所があれば美しい景色やはじめてみた設備が価値観や知識を与えてくれることもあります。
今までやってこなかったことにチャレンジすることも様々な刺激をうけます。「やってみたけど自分には向いていなかった」とか「自分にはこんな一面があったんだ」とか。知らなかったことが知れるチャンスです。
そうやって月に一度でもいいので長くて濃い１日を作ってみてください。自ずと長くて濃い１年になります。
きっと最初は誰もが変化を起こすことを怖いと思うかもしれません。初対面の人と会話するなんて緊張するし、初めて行く場所なんて迷子になる不安もあるはずです。でも思い切って飛び込んでみると視界がぱぁーっと開くような楽しさに出会えます。
私は変化を起こす不安がいつしか変化を起こす楽しさに変わり、気がつけば「変化を起こしたい！」と思うようになりました。そうなるともう無敵状態で、どんどんと１年が濃く充実したものになっていきます。
変化を起こして、ぜひ１年を長くて濃いものにしてみてください。絶対に楽しくなってきます。
