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【凪のお暇】優しさと言いなりになるのは違う

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周りに人の言いなりになってしまっている人っていませんか。私の職場にもひとりいて、その人はクライアントの言いなりになり上司の言いなりになっています。

 

言いなりになるって責任が伴わないし一見ラクなように見えます。反論しない姿勢が優しさとして評価されることもあるかもしれません。けれど言いなりになっている人ってすごく理不尽な目にあっていることが多いです。

 

今回はそんな優しさと言いなりになるのは違うという内容をドラマ化された漫画「凪のお暇」と共に書いていきたいと思います。

 

【目次】

 

言いなりになる人は雑に扱われる

「凪のお暇」の主人公・凪は都内の会社に勤めているOLです。「空気読んでこ」が口癖で、どんなに理不尽なことをされても反論せずに笑顔で対応しています。

 

自分のミスではないことで怒られても素直に謝り、仕事を押し付けられても笑顔で受け入れ、マウントを取られても反論せずにサンドバック役をつとめる。これはメンタルが強いから受け入れているのではなく、「人に嫌われたくない」と過剰に意識しているからこその行動です。

 

つまり凪が優しいから他人の理不尽さを受け入れているのではなく、嫌われたくないからこそ言いなりになってしまっているのです。

 

こういう人ってよくいます。私の友人にもいます。凪のように仕事を押し付けられてひとりで夜遅くまで残業していたり、休日出勤をしていたり。私はその友だちと同じ会社に勤めているわけではないのですが話を聞く限り、その友だちが断れないのをわかっていて押し付けているなと思わせる内容でした。

 

言いなりになってしまう人は一見優しそうに見えます。というかなんでも笑顔で受け入れてくれる人と出会った時は「なんて優しい人なんだろう」と思う人の方が多いはずです。

 

でもほとんどの人がコミュニケーションを重ねるごとに気がつきます。「この人は優しいのではなく、自己主張しないだけなんだ」と。

 

一切反論しないから優しいというわけではありません。自己主張が強いから怖いとか性格が悪いというわけでもありません。一切反論せず自己主張せず他人の意見を受け入れ続けていると「自分がない」と思われます。

 

自分がない人は雑に扱われやすいです。「この人にならちょっと無理なことをお願いしても大丈夫」とか「絶対に怒らないから丁寧に扱う必要はない」なんて思われてしまいます。

 

凪のお暇

凪のお暇

出典:凪のお暇(1)

 

上記は凪が同僚から仕事を押し付けられて残業をしている場面です。「母が骨折したから様子を見に行かなくちゃいけない」と凪に仕事を押し付けた同僚の言い分は嘘で、凪を省いた仕事仲間で飲みにいっていたのです。

 

LINEのメッセージのやりとりからいかに凪が雑に扱われているかがわかります。

 

言いなりになる人にズルい人は集まってくる

同僚からマウントされたりとなにかと見下されている凪ですが実は社内に恋人がいます。それが営業部のエースで人気者の慎二です。

 

慎二は一見人当たりがよく善良な人に見えます。冒頭では凪のことをよく褒めてくれますし、仕事もできる様はまさに理想の恋人といえます。

 

けれど話が進むにつれてそのモラハラ気味の性格が露わになり、凪のことをぞんざいに扱っていたのがわかります。「ブス」といってきたり、変わりたい凪に対して「絶対変われない」と言い放ったり、その様子は自分に従順な下僕を作るための洗脳のようにも見えます。

 

凪のお暇

出典:凪のお暇(1)

 

 後にこれらの行為は純粋な愛ではなく蹂躙しやすいままでいてほしいという理由のためであることがわかります。

 

慎二にとって自分の言いなりで何でも言うことを聞いてくれる凪は本当に都合がよかったのでしょう。だからこそ手放すのが惜しかったんだと思いますし、別れた後も執着したんです。

 

凪のように言いなりになってしまう人は人から利用されやすいです。

 

自分を大切にしてくれない人たちを大切にする必要はない

凪のように言いなりになってしまう人の多くに「断ったら相手が可哀想」「相手を傷つけてしまうかも」という気持ちがある人もいると思います。

 

私自身も傷つくようなひどいことを言われ時に「これを言ったら相手を傷つけてしまう」と反論できなかった過去があります。今思えば傷つけられたのだから相手を傷つけてしまっても喧嘩両成敗で何も問題はありませんでした。

 

凪のお暇

出典:凪のお暇(1)

 

 上記は凪が仲良くなった友だちに怪しい石のブレスレットを買わされそうになっている場面での回想です。

 

「断ったら相手の気分を悪くするんじゃないか」「強く出たら相手が悲しくなってしまうのではないか」と相手を思うあまり自己主張できない凪に対して、慎二は「どうでもいい人だからこそ声をかける」と伝えます。

 

これは本当に真理で嫌われたくない人や好かれたい人を雑に扱う人はいません。付き合いたいほど憧れの有名人を前に暴言を吐くような人って基本いません。極稀に「好きな子をいじめる」という現象もありますがそれは「相手の記憶に残りたい」という願望から出た歪んだ思いです。

 

仕事を押し付けてくる、マウントをとってくる、約束を守ってくれないなどなど理不尽なことをしてくる人はほぼ100%の確率で「嫌われてもいいや」と思っているか「こいつは絶対に自分を嫌いにならない」という確信があります。

 

 つまり自分のことを大切にしてくれない人たちなんです。

 

そんな人達を悲しませないように気を使うメリットってなんでしょうか。上司とかならわかります。出世に響くので気を使うメリットも多少はあります。でも正直上司の言いなりになっていた人って評価が低いことが多いです。

 

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出典:凪のお暇(2)

 

凪は同僚の誰よりもたくさんの仕事をこなしていました。毎日残業して、理不尽に仕事を押し付けられても笑顔を貼り付けて不満なんて一切口にしませんでした。

 

マンガを読んでいる読者ならば「凪はどう考えても有能なのになんでこんなに扱いが悪いんだろう」と思った人も多いはずです。私も思いました。

 

けれどそんな凪を高く評価する人は会社にはおらず、会社を辞めてからはじめてその有能さを仕事を引き継いだ同僚にだけ評価されたのです。

 

これは悲しいことにマンガの中だけのことではなく現実にもよくあることです。真面目で自己主張しない目立たない人ってよくよく見たらすごいことをしているのに、周りがそれに気づかない。本人も自己評価が低いから「私がやっていることは誰でもできることだから」と自分がすごいことをしている自覚がないんです。

 

だからがんばってもがんばっても評価してもらえないで、大切にしてもらえないんです。

 

自分のために生きる

「凪のお暇」の凪のように人の言いなりになってしまう人は自分をないがしろにしてしまっている人が多いです。自分よりも他人を優先して生きています。

 

それは悪いことではありません。時にはそういう生き方も大事だし、優しいからこそそういう生き方ができるんです。

 

けれど自分の人生の主役は紛れもなく自分で、自分本意に生きることは責められるようなことではありません。

 

友だちとご飯を食べに行った時に相手に合わせずに食べたいものを選んでいいし、恋人に合わせて行き先を決めるのではなく自分が行きたいところを決めていいし、今すぐに自分がほしいものを買ってもいい。

 

子供の頃から「思いやりをもちましょう」とよく言われてきたと思います。女性なんかは男性よりも相手に気を使うことを良しとして教育された人も多いと思います。

 

でもそれが=自分を犠牲にして相手に尽くすということではありません。

 

思いやりをもつことも気を使えることも素敵なことで、褒められるべきでことです。でも過度に尽くしてしまうと人はそれを当たり前のものとして認識し、ありがたいと思わなくなってしまうんです。

 

そうなると感謝されなくなり、雑に扱われます。

 

少しづつでいいので自己主張する練習をしてみてください。「自分が好きなものはなんなのか」「自分は本当は何がしたいのか」を探してみてください。見つけることができたらゆっくりと主張するようにしましょう。

 

一気に変わることは負担が大きいですし、自分が壊れてしまう可能性があります。

 

「凪のお暇」の凪のように会社をやめて、スマホを解約して人間関係を絶ち、引っ越しをして新天地に行くなんてなかなかできるものではありません。よっぽど思いが強くて、なおかつそれなりの資金がないとできません。

 

いつもと違う道を歩いてみる程度の小さな変化を起こし続けて、自分がやりたいように生きていけるようになりましょう。

 

「凪のお暇」について

「凪のお暇」にハマったきっかけは凪と自分があまりにも似ていると思ったからです。気が弱くて自己主張ができず、周りから雑に扱われる様が本当にそっくりでした。

 

凪が仕事をやめ、今までの人間関係をすべて捨て、変わることを決意した姿には勇気をもらいましたし、実際に凪を追いかけるようにして私も変わっていきました。

 

自己主張するようになって私だけではなく私の周りも変わりました。今まで仲良くしてきた人たちとうまくいかなくなったり、ズルい人たちが近寄ってこなくなったりして、嫌な思いもしつつも以前よりも自分を大切にできています。

 

そのおかげか自己肯定感もあがり、「自分はこれでいいんだ」と思えるようになりました。

 

巻が進むにつれ凪も自己主張ができるようになり人に恵まれ、どんどんと自分の人生を歩んでいっています。

 

マンガはまだまだ進み、凪がどうやって生きていくのかは想像できませんが、きっと明るい未来が待っているんじゃないかなと思います。